日本は世界に冠たる長寿国であり、人生百年の時代を迎えようとしています。
 数え年齢六十一歳になられた方は還暦(かんれき)であります。
 還暦は本卦(ほんけ)がえりといい自分の生まれた干支(えと)に帰るという訳であります。また華甲(かんれき)とも書きます。
 この文字は人生再出発の意味を表しております。
 昔、元朊式という成人式を迎えた武士は、華やかな鎧甲を着て人生の出発と致しましたが、今人生の再出発の『還暦の日』を迎えた方は、華甲(かんれき)の意義を噛みしめて人生百年までの再出発の佳き日といたさねばなりません。
 当山の延命観世音菩薩はこの地に鎮座いたされてより来年は一千四百二十年の歳月を迎えることと成ります。
 四百年前、天海僧正は当山の延命観世音菩薩を信仰して百八歳の長寿を得られたと言われております。
 当山に伝わるマダラ鬼神祭という奇祭もこの名僧がもたらしたとも伝えられており、延命の功徳は当山観世音に勝るみ仏はないと言われております。
 「かんれき」のとしに当られる方は、是非雨引観音にお詣りの上『還暦延命』のご祈願によって健康長寿の幸福を迎えられるよう祈念いたします。

   雨引観音 雨引山楽法寺の
     御本尊  延命観世音菩薩
     開創年代 用明天皇2年 西暦587年

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