
用明天皇の2年(588)梁の人、法輪独守居士は、本尊延命観世音菩薩を棒持して 当山に登ってこられ、しばし休まれたところ、本尊の御袖から滴り落ちた水が泉となって 涌きかえったので、この泉をご本尊の御名にちなんで延命水と名づけ奉ったと云われています。 この霊泉の水を飲むとき観世音菩薩の霊力がその身に加わって、 延命長寿の功徳を頂戴出来るといわれており、遠近各地より延命水拝受の参詣者が絶えません。又、この霊泉はいかなる旱魃にも水渇れることなく、 千四百余年の今日に至るまで清らかな浄水をたたえて、参詣者に御利益を与えています。
古歌に
ひとしずく
手にむすびなば 雨引の
命を延ばす 薬井の水
と詠ぜられており、広大無辺な観世音菩薩の大慈悲心を、この延命水が具現していることを示しております。